雑用で久しぶりに訪れた隣町のログハウス建築現場。 カナダに来た最初の5年間、私の夏の職場でもありました。 なーんていうとカッコいいですが、私の仕事は丸太の皮むき。 チェーンソーを巧みに操り、丸太を自在に刻んでいく職人さんの脇で、朝から晩までひたすら皮をむく仕事。 結構いい稼ぎになるよと聞き、ぜひっ!と始めてみると、1フィート(約30cm)むいていくらの完全歩合制。 だいたい1本40フィート前後なので、1日3本もむけば大金(自分にとっては)じゃん! しかーし、そんなうまい話が転がっているわけもなく、最初の2か月くらいは1日1本もムリ…。 藪を切り拓いただけの現場は虫の数もハンパなく、アブ、ハエ、蚊にブヨの大群が大汗かいて作業する体に群がり煙状態。 なかなか過酷な仕事場でした(笑)。
ひと気が去った夕方の現場でむせ返るような木の香りに包まれていると、往時のことを懐かしく思い出します。 中途半端な冬が終わり、春も過ぎようとしているのに先の見通しが立たない中で、なかなか気持ちを奮い起こすことができずにいますが、1日中丸太と向き合っていたときに聞こえていた「まぁ、なんとかなるよ…」の声。 それを思い出すと、柄にもなく黄昏かけていた気持ちがすこし元気になった気がします。
(J.Y.)